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  • 2024.10.11
  • 特集

「麺の量と太さで選ぶ」最適なラーメンてぼの選び方 

今お使いの「てぼ」は本当に「あなたのお店」に合ってますか? 

今やラーメン業界ではスタンダードな道具である「てぼ」。「振りザル」とも言われますね。言わずもがな麺を入れて茹でるバスケットのことですが、その歴史は約50年前に遡ります(コラム記事「パワーてぼ」参照)。1970年代に登場したてぼはラーメン店・業界の要望や変化を経て進化を重ねてきました。スリースノーの代名詞的な道具でもあり、製造している種別数で言えば28種類もあります(2024年現在、レギュラーPB商品SKU数)。 

そこまで多くのてぼをラインナップするのには理由があります。それは、ラーメン屋さんそれぞれにスタイルがあることと、厨房機器との相性があることが関係しています。今回のコラムではその中身を紐解きつつ、ラーメン店の皆さんにとっては自分が選ぶ道具を見直すきっかけになれば幸いです。自分のお店のスタイル、機器、オペレーション、麺、それぞれの条件に合わせて道具を深掘りしてみましょう。

最適なてぼを選ぶことで改善するオペレーション 

自店にとって最適なてぼを選ぶことで期待できることがまず2つあります。 
 1.茹で時間の短縮(最短で茹でられる

 2.「ザルの網目に引っかかる」「飛び出る」ストレスがなくなる

この2点です。①は分かりやすいですが②の麺が網から飛び出る、引っかかることも時短に直結するのです。茹でたらザルの網目に挟まっていたという経験、ありませんか? 

麺を網目から取ろうとしてザルを叩きつけたり、手間取ったりする、その数秒の積み重ねがストレスになってきます。 

例えば厨房で毎食「3秒」改善するとどれくらいの時間を生み出せるのでしょうか。 

毎日平均200食の回転で考えると 

「3×200=600秒=10分」

となります。 

10分あればあと何食茹でられるでしょうか。強引に計算すると18食分くらいは回せそうですね(2分茹での麺で6個口の麺機3回転分)。

 最適なてぼを選ぶことはすなわち、最適な「麺茹で環境」を作り出すことです。①・②を達成する前に最適な麺茹で環境を作るキー概念「対流」について次節で解説します。 

麺を効率よく茹でるための条件:対流 

麺がよく対流する=よく茹でられるということになります。対流するためには「可能な限り粗いメッシュのザルで茹でる」ことと「より大きな空間で茹でる」ことが大切なポイントです。粗いメッシュのザルを選ぶことで、お湯の動きが妨げられず鍋の中でよく対流します。お湯が対流するパワーに乗せて麺を泳がせることで、バランスよく麺が茹でられるということです。

※対流比較動画

この動画は同じ麺の太さ・麺量のひと玉をメッシュの違うてぼで茹でた時の映像です。最も粗い6.5メッシュのてぼに入った麺がよく動いている(対流している)のがわかりますね。この動きが麺をバランスよく茹でる(=茹でムラがない)ためには大切です。 

てぼを選ぶ基準1段階目:麺の太さと茹でる麺量から選ぶ 

麺の対流について理解された上で、てぼの種類を選ぶ基準を考えます。お店のコンセプトによって麺の太さと麺量の設定が変わりますので、その2つの基準から最適なてぼを見つけてみてください。繰り返しになりますが、よく対流させるためにはなるべく「粗め」のメッシュを選ぶことが好ましいですが、麺が網目から飛び出てしまうようなことがあっては効率が落ちてしまいます。このバランスを考えながら見てみましょう。 

てぼ早見表をチェック!https://threesnow.jp/wp-content/uploads/2024/10/てぼ早見表-1.pdf

スリースノーのパワーてぼシリーズでは様々なメッシュ・容量のてぼをラインナップしており、その中から選べるマトリックスがこちらの表です。縦軸が「麺量」で上に行くほど大盛りに対応する容量の大きなバスケットになります。横軸は「麺の太さ」であり、右に行くほど細い麺に対応します。一般的には1玉が150g前後とされており、スタンダードモデルはそれより少し多めの量にも対応できるように設計されています。 

てぼを選ぶ基準①:麺の番手と網目

 パワーてぼシリーズの網目の種類は5種類あり、1) 6.5ms 2)8ms 3)10ms 4)16ms 5)24msです。わかりやすく4段階に分けて囲ってみると下の表のようになります。

てぼ早見表(麺の太さ分け)をチェック!https://threesnow.jp/wp-content/uploads/2024/10/てぼ早見表麺の太さ分け.pdf

最も平均的な「8メッシュ」が基本のメッシュで太麺〜細麺タイプまで幅広くお使いいただけます。麺が太く・重い極太麺やつけ麺には6.5メッシュがお勧め、細麺で網目から麺が飛び出るのがストレスに感じている方や、細い乾麺を茹でるお店には10メッシュ以上細かいものをお勧めします。このマトリックスでは麺の太さ(=番手)と網目の広さの関係値で表示しておりあくまで目安ですので、実際に茹でた時の感覚が違った場合は他のメッシュのてぼを試すことも有効です(試してみたい方はぜひ弊社までお問い合わせください)。 

てぼを選ぶ基準②:麺1玉の量とバスケットの容積 

もう一つの基準に「対応麺量(茹で前)」というものがあり、バスケットの中でムラなく対流する容量の目安としてカタログなどには表示しています。こちらも5段階あり、 1) 200g 2)250g 3)300g 4)350g 5)400g となっていますが、わかりやすく3段階に分けてみると下の表のようになります。

てぼ早見表(麺量分け)をチェック!https://threesnow.jp/wp-content/uploads/2024/10/てぼ早見表麺量分け.pdf

多くのお店が大盛りの選択ができるようになっており、スリースノーのてぼは大盛りにも対応できるラインナップが多くあります。どこまでの量を一人前で茹でるのかを認識した上でてぼを選ぶと茹で加減のコントロールも問題ないでしょう。 

※ 3) 300gと5) 400gのてぼは「つけ麺用デカてぼ」という商品ラインで、バスケットの径が他より大きく、通常の茹で麺機ではてぼをセットするリング等に「入らない」ことがあります。この場合は専用のリングを用意する必要がありますが、スリースノーではそのためのリングも用意していますのでぜひご利用ください(茹で麺機の規格に合わせてリングを製作することもできます。ぜひお問い合わせください)。 

まとめ:まずは自分の道具を確認してみてください 

これからお店を始める人だけでなく、すでにラーメン店を営業されているお店の方にとっても、毎日使うてぼが最適なものかどうかをぜひ考えてみてください。ラーメン店にとっての要の作業である麺茹で作業が効率的になることによって、ラーメンの品質を上げるだけでなく厨房内のオペレーションを改善するきっかけにもなります。お店にあったてぼの選び方についてご相談も承っておりますので、お気軽にご連絡ください 
product@threesnow.jp 

次回コラムでは「持ち手のバリエーション」について解説していきます