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  • 2026.11.06
  • 特集

抹茶を濾す作業を考える(Satenインタビュー前編①)

抹茶を濾す道具としてスリースノーでは「抹茶ストレーナー」という商品を2025年から製造販売しています。世界中の抹茶好きな人から抹茶ドリンクを提供するカフェまで、ストレーナーを使って抹茶を濾すのがスタンダードな工程として認識されていますが、そもそも抹茶を濾す(篩う)工程は何故に必要なのでしょうか。 私たちはこの作業について、東京・西荻窪の日本茶スタンドSaten Japanese Tea を経営する小山和裕さんと考え、この度新商品「抹茶スプーン」を共同で開発しました。今回のお話はこの開発までの経緯と、これからの日本茶業界における道具の必要性について。お店で提供する抹茶ドリンクを因数分解すると、道具のあるべき姿が見えてきました。

小山和裕さん(以下、小山):(株)抽出舎CEO。日本における抹茶ラテの火付け役として業界を牽引する東京・西荻窪の日本茶カフェのSatén Japanese Tea を経営。店を経営する傍ら、茶葉や茶器の卸販売やプロデュース、商品開発なども行い、日本茶のワークショップや専門学校での講師業も行っている。

聞き手:山後隼人(新越ワークス スリースノー事業部)

第1章 抹茶のおいしさは、ひと手間で変わる

-ストレーナーは必要か

山後「早速ですが、抹茶を漉すためのストレーナーは必要か?という問いに対して小山さんの見方を聞いてみたいと思います。小山さんなら、どう答えますか?」

小山「抹茶の特徴から説明するのであれば、ストレーナーを使うことで圧倒的に抹茶の滑らかさが変わります。お菓子作りのシーンを想像してもらいたいと思うのですが、ケーキを作る時に小麦粉を濾すのと濾さないのでは圧倒的に出来が違いますよね。小麦粉と同じように、抹茶は水に完全に溶けるものではない。あくまでも粉が液体に混ざっている状態です。だから、濾さないとダマにもなるし、舌触りも悪くなる。そのために濾す必要があるのでストレーナーが必要というのが見解ですね。

ストレーナーを使って一回漉すだけで、そのざらつきが抑えられます。飲みづらさはなくなるし、違和感がなくなる。品質の高いものであれば、粉が細かいのでざらつきは気にならない。逆に品質の低いもの(ラテ用に販売されているもの)は、粒度が荒いのでそこが顕著に表れてしまうんです」

-粒度と味わいの違い

山後「最初から粒度に違いがあるわけですね。石臼で引かないと抹茶ではないみたいな定義もありますが」

小山「最近はボールミルで挽くケースが多いですよね。石臼とボールミルで粒度を調べた最近の結果でいくと、石臼挽きは粒度が荒いものと細かいものとが混ざって出てくるので香りが高くなるとか、味わいが深くなる傾向にある。機械挽きの粒度は一定になるので、ちょっと粗い仕上がりで。詰まりやすいし、ダマにもなりやすい。

味わいとしては一律になりやすいが、香りは出にくい。機械挽きが主流になっているからこそ、濾さないとよりダマになるし、舌に残る。抹茶の話で言うとこういう背景もあるので、漉すと濾さないでは、全然出来上がりは違ってくるかなとは思います」

山後「漉すことが味わいに直結してくるんですね」

小山「本来だったら大事なんですが、抹茶の漉す作業は海外だと蔑ろになりやすいというか。全ての調味料を一気にミキサーにバーンと入れちゃうとかね」

山後「飲んでみると、粉っぽいものも多いですもんね」

-漉すひと手間が、提供効率を改善する

小山「茶道を知らない人は、茶道で抹茶を漉していることを知らない人も多いと思うんですよね。漉す作業は水屋(茶道でお茶を点てるための準備や、茶道具の手入れ、片付けを行う場所のこと)でやることで。お客様に対して見せるものではないからね」

山後「なるほど。これは重要なフェーズですよね。ストレーナーが広まっていく局面だから、この部分が抜け落ちる可能性は大いにありますね」

小山「カフェで提供する際に、効率重視になりがちですからね」

山後「小山さんの考えを伺っていると、飲食店オペレーションに根ざしている感じしますね」

小山「もうそれしかないです(笑)」

山後「我々スリースノーとも相性が良いですね!」

小山「お茶に関してもオペレーションがわかっているか、わかってないかは結構あるし。話せる人がやっぱ少ないんだなっていうのはすごい感じますね」

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